東南アジア進出の起点として、

貴社がシンガポールを
選ぶべき理由

「東南アジアのショーケース」と呼ばれる
 シンガポールの本当の活かし方とは?

  • JML Singapore Pte. Ltd. 会長
  • 株式会社トライステージ
  • 執行役員/事業開発部長
緒方 健介

海外戦略における「ショーケース」という言葉を聞いたことがあるだろうか。東南アジア進出にあたり、最初にシンガポールで事業を軌道に乗せた後、加速度をつけて多国展開を進めた成功事例は少なくない。これは近隣諸国に対するシンガポールの影響力を「ショーケース」として利用する、東南アジア展開の成功パターンのひとつなのだ。

国内市場の縮小化が進む中、日本企業が新たに進出すべき市場として注目する「東南アジア」。多くの企業が試行錯誤を重ねているが、とくに中堅企業がその事業展開に苦戦しているという。現在シンガポール最大のテレビ通販会社であるJML SINGAPORE PTE LTDの会長として率いる緒方健介に、「東南アジア市場のショーケース」としてのシンガポールの役割とこれから日本の中堅企業がとるべき東南アジア戦略について聞いた。

中堅モノづくり企業からの
進出ニーズ高まる
「東南アジア」という海外市場

トライステージは創業以来、ダイレクトマーケティング支援、主にテレビ通販企業様向けのリーディングカンパニーとして、多くのお客さまをお手伝いしてきました。ダイレクトマーケティング市場の拡大とともに大きな成功をおさめているお客さまも少なくありません。

一方、多くの企業が今後の日本市場の成長に限界を感じ、海外市場の開拓を検討する中、弊社へも海外展開のご相談が増えてきました。これを受けて数年前から主に東南アジアにおける事業支援を行うための環境構築に努めてきた結果、現在は、シンガポール、インドネシア、タイ、マレーシア、香港にグループ会社を持ち、日本企業としては有数の販売網を活かした進出支援サービスを提供しています。

東南アジアの「憧れの国」
シンガポールを起点とした
東南アジア戦略を

東南アジアといってもさまざまな国がありますが、ほとんどが国民の平均年齢も若く、今後しばらくの経済成長が見込める国でしょう。その中でも、弊社が東南アジアの起点と考えているのがシンガポールです。

シンガポールは経済や金融の面でも発展しており、他の東南アジア諸国と比べると別格扱いの「すでに完成した市場」「成長余地の少ない市場」というイメージをお持ちの方が多いのではないかと思います。かつては私もその一人だったのですが、現地で生活するようになって、そのイメージが大きく間違っていたことがわかりました。

たしかに世界中から富裕層が集まり、人口当たりの富裕層の割合は世界一の国ではありますが、大半を占めるいわゆるローカルのシンガポール人は、そんなに派手な生活をしているわけではありません。まず分譲・賃貸ともに不動産価格が高いシンガポールでは、就職しても結婚するまでは実家暮らし、結婚すると共働きというライフスタイルが一般的です。結婚しても親と同居も珍しくはありません。また所得は大幅に高いわけではありませんが、先進国基準の社会のため、周辺各国と比較して高水準です。物価は高いと言われますが、バス、地下鉄等交通費は安く、食事も一般の人が食べるローカルな場所だとむしろ日本よりも安く、お酒も飲まない人も多いので、一世帯当たりの可処分所得はますます高くなり、生活にも余裕があります。

一方、他の東南アジア諸国の人たちにとって、シンガポールは「憧れの国」。日本でいう東京というところでしょうか。彼らはシンガポールに住みたいし、シンガポールで働きたいし、お金があったらシンガポールで買い物をしたいわけです。実際に出稼ぎに来ている人も多く、弊社にも隣国マレーシアのジョホールバルあたりから国境を越えて毎日3時間かけて通勤している人もいます。出稼ぎに来ている人たちは、旧正月などの長い休みにはシンガポールでお土産を買って故郷に帰省します。その姿が、故郷の人たちの憧れを強くする。東南アジアの人々にとって、シンガポール人のライフスタイルや志向は「いつか手にしたいステイタス」なのです。つまり、シンガポールで支持されたものは、他の東南アジア諸国でも受け入れられる可能性が上がり、「シンガポールは東南アジアのショールーム」と言われる理由を、実感をもって理解することができました。

そして現在、シンガポールでは日本の商品が売れるための環境が整い始めています。
私たちはその国の消費傾向を考えるときに、一人当たりのGDPに着目します。過去の日本もそうですが、GDPが上がると消費の志向が先進国に近くなります。つまり、最初は欧米のスタイルに憧れて消費もそれに倣うわけです。しかし、そのうち様々な価値観が生まれ、より身近なアジアの先進国=日本に目が向き、現在では日本の高品質な商品に高い関心を抱いています。日本の商品はアジアにおいて「高品質だが価格も高い」とされますが、前述のとおりシンガポール人は高い購買力を持っているため、彼らは魅力を感じたものについては高くても買うのです。

今後、東南アジア市場へ挑戦する企業には、こうした環境を理解し、いきなり日本とはかけ離れた平均所得の低い国でチャレンジするではなく、テストマーケティング市場としてのシンガポールを起点とした事業戦略を勧めたいという思いを強くしています。

テストマーケティングに
最適な国「シンガポール」

シンガポールを起点とした事業構築を勧める理由は、「ショーケース」としての価値だけではありません。そのひとつがテストマーケティングを行うのに適した市場特性です。

国内にあまり製造業を持たないシンガポールは、輸入を前提にしているため税関で時間がかかることもなく、日本からはだいたい2~3日あれば商品を運び込むことができます。これは実際に私たちが経験した話ですが、同じ商品をシンガポール・タイ・インドネシアに同時に送ったところ、シンガポールには2日、タイは2週間、そしてインドネシアには1か月後に届いたということがありました。商品によって多少の差はあれども、基本的に東南アジア諸国に輸出する場合、非常に手間と時間を要します。早いPDCAサイクルを回してしっかりとリサーチするには、商品をタイムリーに投入できる物流環境も重要なポイントです。

さらに、シンガポールがテストマーケティングに適している理由として、その「小さい国土」と「少ない人口」が挙げられます。シンガポールの人口は約570万人(2017年6月時点)ほど。一方で、マレーシアは3200万人(2015年、マレーシア統計局)、タイは6600万人(2015年、タイ国勢調査)、ベトナムは9300万人(2016年、ベトナム統計総局)、インドネシアにいたっては2億6千万人(2015年、インドネシア政府統計)ともなれば、市場としてより人口が多い国に目が行くのは当然でしょう。しかし、そのほとんどの国が複数の人種で構成される東南アジア諸国。国によってその人種比率が違ったり、広い国土を持つ国では場所によって志向や生活環境が違ったりします。

その点、シンガポールは東京23区より少し大きいくらいの国土に600万人弱が生活しているというと、その有用性にお気づきになるかと思います。また、シンガポールは3割の外国人を除くと中華系74%、マレー系13%で構成されています。マレーシアやインドネシアなど、比率は違えども同様の人種で構成されている国であれば、シンガポールで得た知見を活かすことができるわけです。加えてアジアの周辺諸国から年間1,600万人を超える外国人が訪れます。
このように、一見出来上がった市場のように見えるシンガポールは、実は東南アジア進出におけるスタートアップ時のマーケティングに適した環境を有しているのです。
我々は進出先の国のGDPではなく都市のGDPを見て、東南アジアにおける商品浸透戦略を考えています。ちなみ一人当たりのGDPはざっとシンガポールが約53,000、香港44,000、クアラルンプール25,000、ジャカルタ20,000、バンコク16,000(すべてUSドル)となりますが、例えばある商品をシンガポールで販売して成功した場合には、ほぼ同時に香港、そして成功したカテゴリーに合わせてクアラルンプールやジャカルタに展開していくことをお勧めしています。これができるのも各国に当社の強力な販売網としての拠点があるからなのです。

Eコマースに参入する前に
やるべきこと

また、東南アジアへの進出に際して、初期投資コストが少ないECでの参入を考える企業も少なくないと思います。しかし結論としてはうまくいかないでしょう。なぜなら当たり前の話で、知らないものを検索して買うことなどないからです。しかもシンガポール人をはじめとする東南アジアの人たちは、直接見て・触れていないものをネットで購入することがないのです。つまり、Eコマースの前にテレビ等で消費者に認知度を上げ、実店舗での商品展開を行い、それからEコマースという実施プランが必要だということです。弊社は、2016年にシンガポール最大のテレビ通販企業である「JML SINGAPORE PTE LTD」を子会社化しました。同社はシンガポールにおける唯一のテレビ通販会社であり、GMS最大手のジャイアント、2大ドラッグストアのワトソンズ、ガーディアンズ等提携リテールパートナー約400店舗で実際に棚をもつ強力な販売網を築き、さらにECによる販売事業を手掛け、恐らくシンガポールにおける日系企業としては最大の流通チャネルを提供しています。日本の大手企業であっても、直接ジャイアント、ワトソンズにはなかなか簡単にアクセスできないと思います。

企業の成長を大きく左右する海外戦略
そのパートナー企業に求めるべきこととは

弊社にご相談いただくお客さまの中には、すでに海外展開のご経験をお持ちという方も多くいらっしゃいます。まったくうまくいかずに仕切り直したいというご相談もあれば、売り上げ自体はあるけれども、現地での商品ブランディングが想定していたものと違う、というケースもあります。そして、海外展開のご経験をお持ちのほとんどのお客さまに当てはまるのが、「パートナー企業選びの失敗」です。

多くの企業が、パートナー企業を選んだ理由を「ご縁があったから」とお話しされます。さらに、パートナー企業が「たまたま」タイにつてを持っているから、という理由から最初の進出国を決定したりしています。もちろんビジネスにはそうしたご縁がきっかけで大きくブレイクすることもあるでしょう。しかし、海外進出においてはきちんとマーケティングを行い、しかるべき国で・しかるべきブランディングを行い、自社の商品を求めてくれる層に売るべきなのです。

そのためには、①日本ブランドをきちんと打ち出せるノウハウを持つ ②東南アジアに広くネットワークを有する ③一流商社での経験と同等の海外ビジネス経験・ノウハウを持つ人材層がいる これら3点を網羅する企業とパートナーシップを組むことが、海外戦略を成功に導けるかどうかの重要な要素となるのです。

弊社には総合商社、外資系戦略コンサルティングファーム、外資系投資銀行、メガバンク等一流企業出身の海外ビジネス経験豊富な人材がそろっており、東南アジア戦略の立案、実行においては他にはない一貫したサービスが提供できると自負しています。もしご検討課題をお持ちであれば、ぜひ一度ご相談ください。

ますます中間所得層が拡大するアセアン新興国へのアプローチの拠点として、シンガポールがますます活きてきます。2050年までに世界のGDPの半分以上を占めると言われているアジア。シンガポールを活用することが、日系企業のさらなるビジネス拡大の鍵となるでしょう。

緒方 健介
  • JML Singapore Pte. Ltd. 会長
  • 株式会社トライステージ
  • 執行役員/事業開発部長

大学卒業後、第一勧業銀行にて外国業務特別研修生、ソフトバンクグループ会社CFOとして買収による韓国進出、投資会社にて中国企業再生、A.T.カーニーにて海外進出戦略立案などに従事。2015年3月トライステージに入社、事業開発部統括として全社M&A戦略立案及び実行、国内外関係会社の統括。17年10月よりシンガポール最大のテレビ通販会社であるJML Singapore Pte. Ltd. 会長として、シンガポールに常駐。トライステージグループの海外全子会社における役員兼務。
PRESIDENT、日経コンピュータなど寄稿多数。
シンガポール国立大学リークアンユー公共政策大学院(Insights into Regional Politics, Economics and Culture for Japanese Business Leaders and Policy Makers)修了予定
Master of Science in Finance(ファイナンス修士)

ご質問・お問い合わせ:kensuke.ogata@tri-stage.jp