グランドビジョン×トライステージ
ブランディングCRM: CPO高騰の壁を越え、通販事業を成功させるクリエイティビティとは?

「ブランディングCRM」とは、LTV向上施策にブランド戦略を統合させた手法です。
人口は減少し、一方で競合商品が多く乱雑する時代。獲得CPOは高騰してしまいます。そのため、この時代で利益を上げるために、ファンから愛され続け、購入し続けてもらうブランドを確立することが求められます。
本セミナーでは、ブランドが顧客との関係を築き、深化させるための戦略の立て方・考え方をグランドビジョンの榎津氏に解説していただきました。
登壇者プロフィール
株式会社グランドビジョン
事業プロデュース局 プロデューサー
榎津潤也Enokizu Junya
大学卒業後、通販メーカーに入社。商品企画から戦略立案、広告制作まで一連の経験を積んだのち、2016年(株)グランドビジョンに参画。事業プロデューサー兼クリエイティブ・ディレクターとして活躍中。ダイレクトマーケティング領域への新規参入支援、既存事業の建て直し支援、コールセンター機能を活かしたVOCソリューションサービス(顧客の声を分析・レポーティング〜新商品開発・効果的な販促に反映)等に取り組む。「数字にこだわり結果を出す」ことを信条とし、クライアント企業の事業計画立案からブランディング、クリエイティブ制作、メディア運用まで一気通貫したソリューションを幅広く手がける。
大のカープファンであり、趣味は野球観戦と魚料理
グランドビジョンとは
私たちグランドビジョンは、コールセンター機能を持つD2C企業の全体的な支援をさせていただいている会社です。広告代理店やコンサルティング会社、制作会社ではなく、事業全体を見据えて課題を一緒に探っていく「事業プロデュース」を行っています。具体的なサービスとしては「ブランディング支援」「D4C」「エンゲージセンター(コールセンター機能)」の3つです。
「ブランディング支援」では通販企業様、また一般のB to B企業様など様々ご支援をしております。
真ん中の「D 4 C」では、ダイレクトマーケティングの統括的な支援をさせていただいております。一般的に D 2 C と呼ばれている to の部分をforにしており、カスタマーのためのダイレクトというところで、ブランディングをより大事にしましょうという意味となっております。
「エンゲージセンター」は、コールセンター機能です。昨今「エンゲージ」というものが言われるようにはなっていますが、創業当時から我々もその言葉を大切にしております。そこで、コールセンターをエンゲージセンターと呼び、顧客と企業の信頼関係を大切にしています。
このような分野にて、様々な企業を対象に商品開発からCRMまで一気通貫して支援させていただいております。
CPO高騰の壁を越え、通販事業を成功させるクリエイティビティとは?
「LTVが高ければ、CPO高騰にも耐えうる。LTVは今もっとも重要な指標」
ここからは、本日お話するテーマである「CPO高騰の壁を越え、通販事業を成功させるクリエイティビティとは?」に移らせていただきます。
このセミナーの一番大きなテーマは「LTVの最大化」であり、その根底にあるのが強固なブランディングです。そのため、通販事業を成功させるにはブランディングの価値が最大化されたクリエイティビティが必要なのです。
CPOを担保することが非常に難しくなっている現代において、メルマガや同梱物をはじめLTV継続率を上げる施策は様々にあります。ただ今回は、この細かい施策の話というよりは、そもそもお客様にまず我々のことを知ってもらう、あるいは商品のことを好きになってもらいリピートしてもらえるような前提が備わっているか、という話をさせていただきます。その前提があって初めて、それを体現するようなメルマガなどの施策に乗せることができるのです。
以下では、ブランディングとはなにか、ブランディングを考える上での盲点と解決方法を2点紹介していきます。
ブランディングの盲点、お客様に選んでもらうための差別化?
ブランディングの盲点の1つは、この商品はお客様にとって本当に魅力的なブランドか?という視点です。
現在ご販売されていたり、施策を打たれたりしている商品やブランドが「お客様にとって本当に魅力的なブランドか?」というところを一度立ち止まって考えてみてもいいと思っております。
そもそもブランディングとは何でしょうか。
よくデザインやコピーの問題と勘違いされます。しかし、我々を考えているブランディングとは、単なるデザインではなく、他のブランドとの識別性・他のものと違うという差別化を図り、その上で付加価値としてこのブランドいいなと思ってもらうことを最大限発信することです。
「売れ続けるブランド」を作るための5つの要素
「売れ続けるブランド」を作るための、5つの要素を説明します。
- パーパス<社会的意義>
社会的な存在意義を明確にする。Purpose:企業・商品の存在意義 SDGs:持続可能か開発目標 - Brand Story<ストーリー>
顧客に共感してもらう為のストーリー開発やブランドの歴史、ブランドコンセプトの世界観などを紹介し唯一絶対の世界観を構築する。 -
Only One<市場創造>
市場は作り出すものである。絶対的な優位性を確保することでOnly Oneの市場を創造する。 -
Brand<ブランドの一貫性>
一貫したメッセージがブランドを強くする。顧客とのすべての接点において一貫したブランドイメージを発信し続ける。 - Design<機能するデザイニング>
感覚と理論に裏づけされたデザイン思考。Art & Scienceはグランドビジョンの哲学。愛され続け、売れ続けるクリエイティブを科学します。
本日のセミナーで一番お伝えしたいことは、この5つの要素です。これらが備わっていれば、一定以上勝負ができるブランドであると思っています。
ここでは、5つの要素の中の 04.Brand<ブランドの一貫性> について説明します。
ブランドの一貫性とは、「ブランドからブレない」ということです。
事業をしていると周りのことに影響されてしまう時がありますが、継続的にやっていくためにはブレないブランド管理が重要になります。
上図は、ブランドの一貫性を考える時のポイントです。
一貫性を考える上でも要素は沢山あります。まず、左上の「製品とパッケージ」は商品パッケージやどんな商品を扱うかという要素です。また、広告・パンフレット・WEBといった「コミュニケーション」、店舗や施設という「空間・環境チャネル」の要素もあり、これらを一貫させることが重要となっています。
また右上には、「社員と行動」という、社員の行動ベースから商品のコンセプトを一貫させ、お客様に対してもどのように振舞えばそのブランドにふさわしいかを意識する要素があります。ブランドを社員に浸透させて、かつ効果的に発信することがCRMのベースにあるので、色々なクライアント様を支援する上で私たちが意識しているポイントでもあります。
「売れ続けるブランド」構築のプロセス
次に、「売れ続けるブランド」を構築するためのプロセスを説明します。
「売れ続けるブランド」の構築は、上図のステップの順番で、おおよそ半年から一年にかけて行っていきます。
まずは自分たちの会社の強み、ストーリーを知るところからスタートしていき、そこからクリエイティブをしていきながら、最終的にコミュニケーションの戦略を策定します。
ゼロからブランドを構築する場合も、リブランディングをご支援させていただく場合もこのようなプロセスで行っていきます。
ブランドイメージを守り、ロイヤルカスタマーを醸成ってどうやるの?
次に、ブランディングの盲点の二つ目は、VOCを活用し、ブランドとして顧客とコミュニケーションがとれているのか、です。
当社では、「コールセンター」ではなく、「エンゲージセンター」を設け、VOCを収集・分析してブランド戦略やコミュニケーション強化に生かしています。エンゲージセンターは、単なる「受注センター」ではなく、「ロイヤルカスタマーを作るセンター」となることを重要視しているため、エンゲージをプロデュースしています。さらに、お客様の声を聴く機関としても機能しており、ここで得たお客様の声を施策に落とし込んでいます。
※VOC=(Voice Of Customer)
VOCの収集によって成功した事例もあります。今一度お客様の声を元に施策を行えているかをぜひ見直していただければと思います。